名門ロンジンが手がけたシンプルな手巻きモデルをご紹介致します。「ステップドベゼル」と呼ばれる段になったベゼルがこのケースの最大の特徴。原則的に1930年代から1940年代にかけての一時期にしか存在しなかったスタイルで、重厚なケースの質感との組み合わせが一部で高い人気を誇るデザインのひとつです。

オリジナルの黒文字盤は経年変化による傷みもあり、製造年代相応のコンディションではありますが、元来ダメージが目立ちやすい黒文字盤のわりに十分なコンディションではないでしょうか。軍用時計ではありませんが、似たようなテイストを持ち、視認性が高い点も見逃せません。小ぶりなサイズですが、ヴォリューム感があるため、それほど小さく感じないほどの存在感です。

ムーヴメントはロンジンの手巻きモデルの中では総合的に評価が高い機種を搭載。センターセコンド仕様ですが、最もポピュラーないわゆる「出車式」とは異なり、秒針が大変安定した動作をする点も特徴です。なお、ベルトの取り付け部分はバネ棒式ではないため、オープンエンドの革ベルトを装着しています。