多くの軍用時計を手がけてきたロンジンがかつてのチェコスロバキア空軍のために作ったモデルをご紹介致します。当時パイロット達が上着の袖に着用するために大ぶりなサイズに作られたクッションケースは回転ベゼルを備え、いかにも軍用時計らしいルックスです。いわゆるポーセリンダイアルですが、大きく目立つようなダメージはなく、夜光部分は傷んでいるものの、文字盤そのものはとても良好な状態をキープしています。

このモデルは3種類のムーヴメントが採用されていますが、本商品に搭載される"Cal.15.94"はその最初期に該当する機種です。そもそもは1904年に製造が開始された懐中時計のムーヴメントで、クラシックなスイス時計らしい粒金仕上げの美しさが一番の魅力ではないでしょうか。もちろん、ムーヴメント自体も大変コンディション良好。少し前に整備を終えたところですが、動作も安定しており、精度も期待出来そうです。

ロンジンのオールドモデルならではの高い質感が味わえるケースはスナップバックの非防水ながら、実にしっかりとした作り。また、磁気の影響を受けないように分厚いインナーリングがムーヴメントを覆う構造になっています。ベルトの取り付け部分はバネ棒ではなく、固定式のバーになったタイプですが、およそ24mmとかなり幅が広いため、別注したカーフのストラップを装着しています。これまで状態の良いものがあれば、度々取り扱ってきているモデルですが、本商品もかなりの美品だと言えそうです。サイズを含め、様々な面で存在感たっぷりの一本です。