ブローバのレクタンギュラーウォッチをご紹介致します。アメリカでは1940~1950年代頃このような角型時計が大変流行していました。丸型よりもデザインの幅が広がり、一層オシャレに楽しめるようになった事で大人気だったようですが、当時はブローバをはじめ、ハミルトンやエルジンなど、その他の米国メーカーもこのようなスタイルの時計を数多く手がけていました。

金メッキが施されたケースは非防水のスナップバック仕様。全体的に使用に伴う細かな傷が見られますが、まったく手を加えることなく今日に至っているものと思われ、いわゆるオリジナルコンディションであることを考えると十分だと思います。多くの角型時計は元々防水性能がない上にケースそのものの歪みなどが生じやすいデメリットもあるため、状態の良し悪しがはっきりと出てしまいますが、本商品は文字盤も経年変化によるダメージが多少感じられる程度で、決して悪くありません。程よくデコレーションされたケースデザインとクロスラインの入った文字盤のおかげでなかなかの存在感です。

シンプルなスモールセコンド仕様の手巻きムーヴメントを搭載していますが、ベーシックな15石や17石といった仕様とは異なり、21石になっている点が特徴です。3番車、4番車、ガンギ車までそれぞれに受石を設け、オイルがより良い状態で保たれるよう工夫されています。前述の通り、元来防水性能がなく、ケースの構造面で外からの影響を受けやすい事を考慮した上でこのような仕様になっていると思われます。また、インカブロックと並んでポピュラーな耐震機構「キフショック」を備えている点も特徴。一般的には特別評価されないタイプの時計かも知れませんが、何といっても手頃な価格で年代物の時計を手軽に楽しめる点が魅力ではないでしょうか。

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