ホロル・インターナショナル - 代官山のアンティーク・ヴィンテージ時計販売・修理専門店

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Maintenance Report #4

REPAIR

2021.02.02

Maintenance Report #4

IMG_7860x.jpgつい先日オーバーホール等の作業を行ったオメガ・スピードマスター・マークIIの作業内容について少々。元々は2002年に当店で販売したもので、その後2007年に一度オーバーホールを行ったことがあったものの、今回はその時以来の作業でした。

お預かりの際にまず2時位置のプッシュボタンがないことにずぐ気づきました。よくよく事情をうかがうとある時プッシュボタンがなくなっていて、それ以降ずっと仕舞い込んだまま、使わなくなっていたとのことでした。外れてしまったプッシュボタンはそのまま紛失してしまったそうで、状態を確認するとプッシュボタンの軸は折れているようでした。

長年の使用によってぶつけたりしたこともあったかも知れませんし、経年劣化によって傷んでいたのでしょう。当然そのまま使用することは出来ませんので、新しいプッシュボタンを取り付ける必要があります。さらにゼンマイを巻き上げてみるとまったく動作しない状態でした。リュウズがやたらと軽く、すぐにゼンマイが切れていることも判明しました。そんなわけで今回はオーバーホールの基本的な作業に加え、ゼンマイの交換、紛失した2時位置のプッシャーの交換を行うことになりました。



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香箱を開けるとご覧の通りゼンマイが切れていました。中心に近い部分が折れた場合はまったく動かなくなってしまいます。ゼンマイの外側が切れた場合にはある程度動作しますが、手巻き式の場合リュウズをいくら巻き上げても延々と巻ける状態になってしまいます。









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すべて分解して超音波洗浄を行ってきれいになった地板。新しいゼンマイを香箱に入れて組み立てていきます。










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注油しながら、各パーツを組み込んでいきます。全体的に激しいダメージ等はなく、状態良好なムーヴメントでした。










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積算計の車などすべてのパーツを組み込んだ状態がこちら。おおむね基本的な作業でスカッといきました。










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文字盤を外した状態のムーヴメントはこんな感じです。非常によく出来たクロノグラフムーヴメントだと思います。さすがNASAで採用されただけのことはあります。










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紛失した2時位置のプッシャーも新しいものに交換しました。何年も使っていなかったそうですが、すっかり生まれ変わりました。これを機に是非大切にお使い下さい。