Watches In Movies #3 日本沈没
2021.02.06
時計が登場する映画をご紹介します。1973年公開の日本映画「日本沈没」です。小松左京原作のSF小説が基になっていて、ご覧になったことがある方も多いかと思います。
ちょうど1年ほど前から続く新型コロナウィルスの騒動の中、まるで昔の角川映画みたいな状況だと思っていましたが、そんな中「そういや今まで観たことなかったなぁ」となぜかこの日本沈没のことが頭に思い浮かんできました。東宝の作品なので角川映画ではありませんが、昭和のパニック映画としては代表的な作品のひとつではないかと思います。そんなこんなでやけに気になってある時観てみました。
物語は巨大地震の発生で1年も経たずに日本の国土全体が海に沈んでしまうことが判明し、日本国民全員を海外へ避難させるという壮大な計画を進めていくというもの。中心的な登場人物のひとりである潜水艇の乗組員「小野寺」を演じる藤岡弘氏が劇中で着用している腕時計がオメガ・シーマスター600「プロプロフ」でした。
かなり大きくて特徴のあるデザインの個性的な時計ですから、もちろんすぐ気づきました。今となっては貴重なヴィンテージウォッチでいつでも美品を入手出来るとは限りませんが、当然1970年代当時は現行モデル。フツーに新品が購入出来たわけです。きっと登場人物の役柄に合わせてセレクトされたのだとは思いますが、どういった経緯でこれを着けることになったのかとか、そんなことがちょっと気になりました。
近年はオメガに限らずこういったダイバーウォッチやクロノグラフなど、スポーティなテイストのモデルに人気が集中して、多くのモデルがますます高額になっています。特にダイバー系はコンディション的な問題もあり、なかなか良品を見る機会も減っているように感じます。古いダイバーウォッチはかなりしっかり使い込まれている場合が多いだけでなく、ケースがボリューム感のある大ぶりなものが多く、さらにベゼルが樹脂系の素材で出来ているものが少なくありませんでした。そのため、経年劣化だけでなく、ぶつけてしまったりすることでダメージが出ていることも多いのです。
日本沈没に登場するこのオメガ・シーマスター600は独特の形をしたワンピース構造のケースは特大サイズで、回転ベゼルの誤作動を防ぐための赤いボタンを備えている点など、あらためてどこを取ってもユニークなモデルだと思いました。映画「日本沈没」は豪華なキャストと懐かしさの漂う当時の日本の風景なんかも見ごたえがありました。それから、ウルトラマンやゴジラを彷彿させる特撮も見逃せません!