Watches In Movies #1 Inglourious Basterds
2010.09.20
時計が登場する映画をご紹介します。今回取り上げるのはクエンティン・タランティーノが監督した最新作「イングロリアス・バスターズ」(Inglourious Basterds)です。1941年、第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下のフランスが舞台。この映画の劇中でいかにも古そうな雰囲気の角型時計がチラッと登場します。ネタばれになるので、詳しくは説明しませんが、緊張感のあるレストランでのシーンです。
この場面に登場するこの人物はフランスに隠れるユダヤ人を発見する能力が長けていることから「ユダヤ・ハンター」と呼ばれている「ハンス・ランダ大佐」。ブラッド・ピットが主演ということになっていますが、この役を演じたクリストフ・ヴァルツという俳優の方がむしろ存在感を放っていて、ドイツ語、英語、フランス語を巧みに使い分けるこのキャラクターを完全にモノにしています。この人は2009年のカンヌ国際映画祭で男優賞、さらに今年のアカデミー賞では助演男優賞をこの役で見事受賞しているとのこと。
以前あるお客様から「戦争映画に登場するドイツ兵が角型の時計を着けているのを見ることが多い」という話を聞いたことがあったのですが、まさにこれもそうでした。本来なら丸型と比べた場合、だいぶ弱い角型の時計を当時ドイツの軍隊が正式に採用していたのかどうかはかなり謎です。それほど大きく映し出されるわけではありませんが、なかなか興味深いので、ちょっと取り上げてみました。ちなみにこの映画、タランティーノ作品らしい独特の演出はもちろん、毎度おなじみのドンパチもたっぷり。「レザボア・ドッグス」を思い起こさせるような一触即発のシーンなんかもあって、存分に楽しめました。おススメです。